経営・診断

P/Lは易しい? 続き。

B/S(貸借対照表)は難しいがP/L(損益計算書)は易しいと思われがちですが、P/Lにもちょっと気をつけることがあります。よく間違えるのは、お金の出入りとずれる部分です。

前回は、商品を仕入れたお金と売上原価の値が異なる場合を見てみました。他にも、お金の出入りとP/Lのコストの計上がずれるものがあります。何があるでしょうか?

わかりにくいのは、減価償却費ではないでしょうか。製品を作るために、機械設備を200万円で購入した場合を考えてみましょう。即金で買ったとすれば、現金が200万円減って機械設備という資産が200万円増えます。このときのB/Sの動きは、B/Sは難しい? の2回目で在庫で説明した場合と同じです。

しかし、在庫と違って、機械設備は一つだけです。これは、どうコストを計上していけばよいのでしょうか。この機械設備は、今期だけ使うのではなく、10年間使い続けて製品を作って、毎年50万円の売上をあげていくと仮定しましょう。もし、機械設備を購入した最初の年に200万円のコストを計上すると、売上50万円-コスト200万円=損失▲150万円になります。2年目以降は、毎年50万円の利益が出ますね。しかし、損失▲150万円は、この企業の実力を正しく伝えていると言えるでしょうか?

売上を上げるために機械設備を使っていると考えると、その機械設備にかかったコストを10年間に分割して、毎年20万円分使って30万円の利益をあげていると考えてもよさそうです。そもそも、減価償却という概念がわかりにくいのですが、「買ったときに一度に費用にしないで、毎年売上をあげるのに使った分を費用にする」ことで、企業が利益を出す力を見ようという考え方です。

ただし、現実に買った年には200万円が手元からなくなっているわけですから資金繰りは苦しいはずです。逆に2年目以降は、出金はありませんから現金は余裕ができます。こちらの現金の状況も、実力を測るために知りたくなりませんか。P/Lだけではそれが分からないので、現金の出入りを見るために考えられたのがCF(キャッシュフロー計算書)になります。B/Sから始まりP/Lのお話をしてきたら、CFのお話も出てきてしまいました。

財務諸表を読めるようになりたいと思い勉強を始めると、「何のためにこんなにいろいろな書類があってややこしいのかるのか?」と思うことがあると思いますが、それぞれの目的や関係を理解すると、納得感が深まるかと思います。