経営・診断

Page2019が面白い

印刷メディアビジネスの総合イベントPage2019に臨場してきました。出展内容を大きくわけると、印刷事業者に向けた印刷機などのハードウェアの出展、印刷事業周辺のデジタル印刷関連ビジネスを提案するソフトウェアの出展、印刷事業者によるパートナー開拓のための出展に分けられると思います。

私自身は印刷事業者ではないので、一番興味があるのは最後のカテゴリで、印刷事業者さんがどのようなビジネスを展開しようとしているのかの動向です。全体感として、昨年度のPage2018では、自社の得意分野に特化した他社差別化の訴求が多かったのに対して、今年のPage2019では、自社の得意分野を切り出して外販していく流れがより強くなっているように感じました。

その中で、私が印象に残った展示について、自分の所感も交えて書きたいと思います。私の個人的な所感を加えているので、ここでは社名についてはA社、B社のように仮名にしておきます。

A社は、Adobe InDesignのDTP校正用プラグインを出展。昨年度のPage2018でも同様のプラグインの出展がいくつかあり、自社で培った技術を外販する流れだと思います。ただ、プラグインだけでは高い値付けはできないので、これだけで商売の柱とすることは難しく、自社のプラグインを使う仲間を増やして、仕事を流通し合いやすくするなどがメインになるのかと感じます。自社のノウハウを入れたソフトウェアで商売できると、よりビジネスの幅が広がる可能性があるのではないでしょうか。

と思っていたら、K社さんの出展ブースで興味深い出展を見つけました。自社で開発し、自社利用している経営管理システムの外販です。汎用的な経理・調達などの業務をアプリケーションとして提供し、経営分析までパッケージにしているERPソフトと呼ばれる分野がありますが、その印刷事業者向け版ですね。印刷業に特化しているだけあって、印刷工程を前提とした業務フローが準備されていたり、従来は難しかった受注ごとの原価管理と損益分析を、印刷オペレーターさんの入出力を簡素化することで実現していたり、設備投資の回収ができているかをチェックするためのKPIが準備されていたりするなど、自社の経験から、印刷事業者が見るべき経営のポイントを知っている強みをうまく活かしているように感じました。導入実績のある印刷事業者の規模としては、オペレーターさんが30人~50人、100人規模とのことだったので、やや大きめの印刷事業者さん向けですが、機会があれば提案の部材として使ってみたいと感じました。

他には、X社は事業企画書を販売して仲間づくりを試みていたり、O社さんはWEBによる名刺の受注システムを外販していたり、Y社さんはクリアファイルへの印刷に特化してネット販売しているなど、それぞれが自社の得意技を使って事業の拡大を図っていたように思います。

製本関係では、7社合同の出展で、それぞれの製本の得意分野を持ち寄ってカバー範囲を拡大しており、このような1社ではできないことがあっても、連携により受注機会を増やそうとする取り組みも、素晴らしいものだと感じます。

ご縁があり、最近は薄紙に関心を持っているのですが、N社の和紙を使ったさまざまな印刷物の出展にも興味を惹かれました。デジタルな電子データにはない味わいが和紙にはあり、わざわざ紙という媒体に印刷することのうれしさを感じさせてくれます。そういえば、お正月に熱海に旅行した際に、ステンドガラスがあちらこちらで使われており、障子などを使ってこういった美しい味わいが作れないものか、と思ったことを思い出しました。どこかで事業化してくれたら、事業計画策定のお手伝いをしたいと思います。(^^)