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AIは経営者になれるのか

AIに仕事を奪われる職業ラインキングがよく話題になります。その際に必ず論じられるのが、AIは経営者になれるのか、ということですね。2015年12月に野村総合研究所が発表したニュースリリース「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に 」では、参考として「人工知能やロボット等による代替可能性が高い・低い100種の職業」を発表して話題になりました。

代替可能性の低い職業の中に、中小企業診断士が含まれており、業界内でネタにされる方も多いです。一覧をざっと見ると、仕事の内容が人間心理への依存度が大きいものが、代替可能性の低い職業に分類されているような感じかします。すなわち、その行為を明確に定義できないものは、機械による代替がまだ難しいということなのでしょう。この一覧の中には「経営者」という職業は出てきません(職業というよりは社内での役割を示す言葉だからなのかもしれません)が、AIは経営者に変わることはできるのでしょうか。

あたりまえですが、結論は「できる領域もあれば、できない領域もある」ではないかと思います。将来、できる領域はどんどん広がっていくのではないかと想像します。ただ、現時点でも、経営という漠然とした言葉で思考停止に陥るのではなく、ある領域だけでもよいので具体的な行為に落とし込んでいくことをおすすめします。経営者の行為を細分化することで、そのために必要なインプットが明確になりますし、やるべきことを論理的に考えることができます。一部はスタッフが代替できることもあるかもしれません(将来はAIが代替かもしれませんが)。行為を具体化していくことにより、経営者の負担が減り、他の人では代替できない判断の質を上げることが経営の改善につながっていくと考えています。

具体的な行為に分類して、ベストプラクティスと比較しながら、当社の実情にあった手を打っていく。そのお手伝いをするのが中小企業診断士の役割です。経営者も中小企業診断士も、AIに代替される可能性は低いからと胡坐をかくことなく、自らの職能を分類してスキルを磨くことが、重要だと考えています。