経営・診断

シェアハウス投資問題の教訓

「かぼちゃの馬車」のシェアハウス投資が社会問題になっています。この問題が拡大してしまった要因は、いくつか存在するように思います。

一つ目は、不動産会社の事業計画が継続性のあるものではなかったことです。需要よりも供給が大きくなる中で、家賃保証を実現するために、新たな物件からの利益を保証した賃料の支払いに回す自転車操業は、いつか破綻することはわかっていたはずです。需要に合わせた供給調整をするべきでしたが、供給調整をしたとたんに資金が回らなくなるので、破綻するまで止める決心がつかなかったものと思われます。

二つ目は、銀行の融資の問題です。収益性を重視するあまり、ビジネスモデルが破綻することに目をつぶって資金を供給していたことが、問題を大きくしてしまいました。今回は、シェアハウスを新築して供給していますので、需要に見合わない供給量を実現してしまった大きな要因であることは間違いありません。

三つ目は、オーナー側の認識の問題です。リスクのない投資を勧誘されたときに、その危うさに思い至らなかったのでしょうか。もちろん、破綻がわかっていながら勧誘する側に問題があるのですが、本モデルでは、複数の人が投資判断をするので、全体が供給過剰であることに気が付きにくい構造になっていたとはいえ、投資に対するリスクの認識が甘かった点は否めないでしょう。投資には、外部環境と自身の内部環境の認識が欠かせないという教訓でもあります。

経営者の皆さんも自社において投資判断をする際には、冷静に市場・競合の状況などの外部環境、自身の財務状況などの内部環境を見極めることが大切ですね。

最後に、本問題は、本来のシェアハウス自体にあるわけではありません。もともとのシェアリングエコノミーの考え方は「遊休資産・余剰資産の活用」にあります。シェアハウスも、オーナーが所有していて使っていない空間をシェアする分には、銀行から身の丈に合わない融資を受ける必要もないわけです。シェアリングエコノミーは、社会全体で資産活用の効率化を図る試みとしては有効なひとつの手段だと思いますので、シェアハウス投資問題でシェアリングエコノミーが悪い、という誤解はされないようにお願いします。