経営・診断

真の働き方改革を目指そう

世の中では「働き方改革」が叫ばれています。本質は、労働人口が減少する中で生産性をあげて経済力を維持することによって、豊かな生活を送ることにあると思いますが、昨今の働き方改革は、残業時間削減や年休取得にばかり目がいっており、違和感を感じます。

帝京大ラグビー部監督 岩出氏へのインタビュー記事「長時間練習…それでも体育会系指導が勝てないワケ」が興味深いです。インタビューではこうあります。

「(『俺について来い』の指導で育った)『指示待ち』の選手は、自分では考えないので、指示されたことをこなす以上の成長はできませんでした。その上、頭ごなしに『意味はわからなくても黙ってやれ』と命令して従わせるやり方は、(選手にとって)楽しくないので、やる気も引き出せませんでした。『(強敵を倒し)さらに上に行くためには、どうすればよいか』を選手が自ら考え、創意工夫する道を私がふさいでいました」

これを昨今の働き方改革になぞらえると、残業時間削減や年休取得を上から指示して、それに従業員が従っているだけでは従来と何も変わっていない、ということです。指示されて年休を取るのでは真の働き方改革にはなりません。自分で「休む」「仕事をする」ことを主体性を持ってオンオフすることが重要なのです。

しかし、人事の方の目には、こちらがクローズアップされてしまうのではないでしょうか。

「練習時間を増やせば、技術力が向上するというのは間違った考え方だと思います。練習では状況に応じたプレーや戦術を学びますが、脳がボーッとした状況では、覚えが悪く、効率も悪くなります。睡眠時間の確保も大切です。疲労回復だけでなく、学生(や生徒)の場合は(身体の)成長にも不可欠だからです」

経営者の皆様には、従業員が真の幸せを感じられる働き方ができるように留意していただきたいと思います。もちろん、過労死を引き起こすような長時間残業は間違っていますが、さらに一歩進んで、人として主体性を持てるようにお互いに尊敬の念を持ち接することが大切だと考えます。