sMA業界研究|パソコン教室|市場動向

sMA業界研究|パソコン教室|市場動向

スモールM&Aの業界研究ということで、今回は、「パソコン教室」の業界を何回かに分けて見ていきたいと思います。最初は、その市場動向を概観していきます。

皆さん、2020年度から小学校でプログラミング教育が必須化されているということはご存知でしょうか。では、それが言われ始めたのはどれくらいの時期なのか。2016年には、もう文科省がプログラム教育必須化ということを提言していますが、それから4年経った2020年に、いろいろな試行錯誤を経て、プログラム教育が始まりました。

2021年12月時点で、NPO法人みんなのコードが全国の学校教育におけるプログラミング教育実態調査を公開しました。皆さんも興味があればぜひご覧になっていただきたいですが、その中からいくつか調査結果を取り上げてみます。

出所:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000015742.html
みんなのコード、全国の学校教育における「プログラミング教育実態調査」を公開
小・中学校教員2,400名、子ども・保護者3,000組を対象に意識調査を実施

次の円グラフは、生徒さんお子さんに対してプログラム教育は楽しかったかを聞いている結果です。とてもそう思うが28.1パーセント、そう思うが45.7パーセントということで実に全体の75パーセント近くがプログラミング教育は楽しかったというふうにお答えになっています。
授業として、まずは上々のスタートだったように思います。

一方で、裏側の学校の先生方への調査結果を見てみます。左の円グラフは翌日の授業の準備時間は十分だったかを聞いています。不十分であるというのが30.9パーセント、必要最低限しか確保できないというのが約半分の先生方を含めて、8割以上の先生方が十分には時間が取れていないと感じられていることがわかります。
通常の授業で手いっぱいの先生方が、それぞれの教科の中で工夫してプログラミング教育を入れ込んでいるという状況にありますので、なかなか時間の確保は難しいのではないかと思われます。右の棒グラフを見ても、公務や生活指導クラブ活動など、先生方が非常にお忙しい中でご苦労されているなということがよくわかります。

プログラム教育では非常に先進的な学校の校長先生にお話を伺う機会がありましたが、先進的な学校でも、教科あたり年間2時間から6時間程度がプログラミング教育に使える時間だとおっしゃっていました。必須化されたといえはいえ、十分な時間を取れているというわけではないのが現実です。
さらに、先生がもう一つおっしゃっていたのは、「落ちこぼれ」よりも「浮きこぼれ」に懸念を抱いているということでした。「浮きこぼれ」という言葉は、あまり聞きなれないかと思います。
学校教育は、通常、落ちこぼれがないように生徒全員がついてこられる授業を行うと思いますが、時間を持て余してしまったり、もっと学びたいのに学ぶ機会が奪われてしまったり、ということを懸念されていました。その際に先生がおっしゃっていたのは、

より学びたい子どもに対してより専門的な学習機会を与えるというニーズは非常に大きいものがあるし、それはなかなか学校教育の中では難しいので学校の外で提供していただけることを期待している。

とのことでした。

そういった背景もあり、実はパソコン教室の市場は急激に成長しています。

出所:https://www.gmo.media/archives/3398/
コロナ禍でも市場規模は125%成長の175億円! プログラミング教育ポータル「コエテコ byGMO」×船井総研 「2021年 子ども向けプログラミング教育市場調査」を実施 ~4年後の2025年には400億円に市場拡大と予測~

小学校でのプログラミング、教育必修化等も背景に、大きく成長が見込める市場として注目をされているプログラミング教師区市場ですが、GMOメディアと船井総研の調査によれば、2021年の子ども向けプログラム教育市場規模対2020年度比で125パーセント成長、さらに200125年度にはその2倍になるだろうとというふうに予測されています。それに伴って教室数も1万教室を突破しているという勢いです。

パソコン教室というと、シニアの方がPCの操作方法を習うというイメージが強いかもしれませんが、いまや、パソコン教室は、子ども向けのプログラミング教育も取り込んで、急激に成長している成長市場であると言うことを認識いただければと思います。