sMA業界研究|パソコン教室|事業の成功に向けて

sMA業界研究|パソコン教室|事業の成功に向けて

スモールM&Aの業界研究ということで、「パソコン教室」の業界を何回かに分けて見ていきます。今回は、事業の成功に向けたポイントについてお話していきます。

まず、最初に考えていただきたいのは、「お客様は誰か」ということです。以前は、パソコン教室のお客様は、シニアの方や就労希望者の方でした。しかし、昨今は、ビジネスモデルの記事で見たように、プログラム教育の必須化を受けたお子様やDX推進のための企業の社会人も増えています。

お客様が変われば、提供すべきサービス名が変わってきます。プログラム教育を受けたいお子様がお客様であれば、プログラミングの授業が必須ですし、場合によっては受験対策という側面も出てきます。
提供方法も、オンライン授業やリアルな教室での授業が考えられますが、パソコンの触り方がわからないお客様にはオンライン教室は不可能なので、リアルな教室での授業を提供する必要があります。

お客様は誰か?

このように、「お客様は誰か」を考えると、「どのような教材を提供すべきか」「どのように提供すべきか」等が決まってきます。ですから、まずは「お客様は誰か」を考えていただきたいのです。

次に考えたいのが、「どれくらい生徒数が集まれば儲かるのか」ということです。前の記事で、パソコン教室で利益を出すためには、生徒数を集めることが必要であることを示しました。売上は、生徒の数と月謝の金額で決まります。次図の左では、緑色の線が売上です。生徒数が右に向かって増えるに従って売上が上がっていきます。
それに対して、どうしても固定的にかかる費用があります。例えば、講師の人件費や教室の家賃、広告宣伝費等があります。もし売上がそれを下回っていれば、赤字ということになります。さらに、教材費等もかかります。こちらは、生徒数が増えると掛かってくるコストです。生徒数が増えるに従って、青線のコストは増えていきます。固定的にかかる費用と、生徒数によって増えるコストがありますが、その合算した費用と売上の線が交わる点があります。この交わる点の生徒数を集められれば利益が出るということです。

どれだけ生徒が集まると儲かるか?

ポイントは、生徒数を確保することですが、生徒数が集まる見込みが立たない場合は、固定費を減らすことも考える必要もあります。例えば、一番大きい固定費は人件費ですが、生徒が来ても来なくても同じ額を支払う形態ではなく、生徒数や授業の時間数等で変動的な要素を入れることも考えられるかもしれません。

(次回に続きます。)