sMA業界研究|パソコン教室|事業の成功に向けて(続き)
スモールM&Aの業界研究ということで、「パソコン教室」の業界を何回かに分けて見ていきます。今回は、事業の成功に向けたポイントについて、前記事の続きをお話していきます。
前記事の続きですが、次に考えたいのが集客方法です。どういうすれば生徒さんを集められるのか。検討するにあたっては、新たに獲得する顧客と、一旦生徒になっていただいた方に継続していただくことの二つに分けて考えてみてください。
新規顧客の獲得の方法として、チラシのポスティングが考えられます。実際に、お正月には我が家の新聞折り込み広告が入っていて、「今年の抱負は?」と書いてありました。新年を迎えるにあたって、一念発起してパソコンの技能をを身につけようと考える人は多いと思います。無料体験教室で体験してもらい、自分に合った教室かを確認してもらってから決めていただくのもよい手法と思います。
いかに継続してもらうかは、それ以上に重要です。教材が一巡すると退会のタイミングです。そこをいかに継続してもらうかで生徒数が大きく変わってきますので、より高度な資格試験の受験をお勧めしたり、より高度な知識を身につけることをお勧めすることも必要になります。
一般に、継続のお客様の獲得コストは新規のお客様の獲得コストよりも低いので、継続してもらうことが事業の成功にはとても重要なポイントです。
最後に、教室の稼働をどのように上げていくかも考えていく必要があります。
パソコン教室のお客様としては、シニアの方、主婦の方、お子様、社会人等が考えられます。前の記事で、最初に「お客様は誰か」を考えるべきという話をしました。お客様によって都合のつく時間も異なります。お子様は昼間は学校に行ってますので夕方しか来れません。働いている方は、夜になることが多いでしょう。主婦の方は、朝は家事でお忙しいかもしれません。このようなことを考慮して、複数のお客様の属性をターゲットにしていくのも一つと思います。
もう一つの手法はオンライン化です。お客様の属性によってはオンラインが難しいケースもありますが、オンラインであれば、それぞれの都合の良い時間帯に受講してもらえますので、稼働率を上げやすいといえます。教室では物理的に入れる人数に限りがありますが、オンラインでは物理的な制約がなくなるのもメリットです。
他にも、英会話教室と組み合わせたワンストップサービスをすることで、パソコン教室だけでは週に1回しか来てもらえないところを、英会話教室も一緒にして週に2回来てもらうことで稼働率を上げていくことも考えられます。
ここまで、いくつかパソコン教室の事業を成功させるためのポイントをお話をしてきましたが、他にもいろいろな視点があり得ます。M&Aで事業を買う場合には、その事業がどのような状況にあるのかの調査も必要になります。既に事業を持っているのであれば、買った後の統合や改善も重要です。
パソコン教室の業界研究として、最初にトピックスとして取り上げたのは、小学校のプログラミング教育の必須化でしたが、実は中学校の技術家庭科でのプログラミングの内容拡充も始まっています。さらに、大学受験でも情報が基礎科目として採用されるということが計画されています。
パソコン教室の市場はすでに成長市場になっていますが、今後、お子様が成長するにしたがってニーズは変化しながらますます大きくなっていきます。パソコン教室への投資は、未来への投資となる魅力的な業界と考えます。
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